U216

見える未来そのすべてをまやかしだと拒絶してあげるよ!

観劇履歴2015

 シアターGロッソ
 1/9(金)マチネ
オムニバス形式でキャラクターのバックボーンを描く。過去を藤田・現在を唐橋さんという二人一役が出色の出来。くらは狡くて弱い、寄る辺ない妖怪の男を。ダンスを観るのが本当に久々でうれしかった。
楽曲がカッコよく、構成もいわゆる2.5次舞台にあってミュージカルらしいミュージカルなんですが、如何せん芝居は良いけれど歌えるキャストが少ない…。ゲストキャラに歌ウマを連れてくる方式を取っていますが、カバーというよりも無双になりがちなので、いっそテーマ曲だけ歌ってストプレにしてもいいのではないかと思ったり。

  • 朗読「東京」品川心中(橋本×宮)
 芸劇イース
 1/9(金)ソワレ
年増の遊女宮ちゃん、彼女と身請けの約束をしたポンコツ男のあっちゃんの落語の朗読。朗読は殆ど観たことがないので新鮮に観ましたが、イスや絨毯などごくごくシンプルなセットを豊かな発想で使う、演劇的な動きと仕掛けがたっぷりと。2人の掛け合いが見事でこの1回だけの上演とは贅沢。

 名鉄ホール
 1/11(日)ソワレ 
前年から続いての地方公演。個人的には最後になった名鉄ホールでの観劇。地元名古屋でのりょん現場の多くがここでの思い出であり、それを彼の出演作で締めくくる万感。
溌剌とした光のような存在が、薄暗い刑務所をほんのひと時照らし、そして過ぎてゆく無情。これは決して囚人の話ではなく、凝縮された世界なのだという演出意図を噛み締める。

  • 竜星涼・永瀬匡トークショー」
 イオンりんくう泉南
 1/12(月)両部
研音の推しコンビが揃うとあって急遽参加。とてもリラックスした環境で仲良しコンビの話が聞けてほくほく。匡は相変わらずのファンサモンスターっぷり、竜星さんは匡がいるから終始ゴキゲンでした。
詳細レポは他記事にて。

  • TRASHMASTERS「砂の骨」
 シアタートラム
 3/10(火)ソワレ 
くらが劇団員となって初の公演。
長いものに巻かれる雇われ飲食店長の青年がホームレスの青年と出会い、親しく付き合う中で自主性に目覚める。過労死、雇い止め、パワハラ、権力と労働者という社会問題に真っ向から挑む。
彼は確かに大きく変わったけれど、本当に大切なものを得たかどうかは疑問を残して物語は幕を引く。白は白、黒は黒とせずに観客にも思考しろ!食らい付け!と投げ掛け続ける中津留さんの姿勢に、演劇の持つ凄みを垣間見。

  • 少年社中「リチャード三世」
 東池袋あうるすぽっと
 3/10(火)マチネ 
白と黒、分裂した二人のリチャードによる新説シェイクスピア。毛利さんお得意の二重三重の世界構築が見事に活きた脚本。
W主演、黒のリチャードを演じたありそくんの振り切ったいやらしさが秀逸で、対する白の池田くんは周りから浮きまくる存在感。その違和は狙ってのものなのか、キャスティングの妙。
客演では龍ちゃんの静止がキマる鮮やかな身のこなしと、鯨ちゃんの滑らかで流麗な所作の相対象な配役も楽しかったです。

 芸劇プレイハウス
 4/30(木)ソワレ
脚本が荒く、ミステリーとしてはかなりキツい出来。キャストはそれぞれ適材適所で本当に素晴らしく、この隙のないキャスティングを活かす方法はなかったのかなぁと。

  • 優馬コン
 フォレストホール
 5/1(金)18:00
屋良さん振り付け演出のツアー初日。直前までバック予想が分かれていて悲喜こもごもでしたが、優馬くんも8人もそれぞれ全力で頑張っていて輝いていて、最高に楽しかった!

 シアター1010
 5/7(木)マチネ
珍しく原作をプレイしている作品の2.5次化。4準拠で天下統一の章を一通り、切り貼り編集の巧みさとキャストの忠実な頑張りで良作に。欲を言えばあと2人くらい女の子キャストが欲しかったなー。
アンサンブル祥司くんがロミジュリにおける死、TDVにおけるヴァンパイアダンサーのようなソリスト扱いで驚く。時の流れや運命の理を感情豊かなコンテンポラリーで魅せてくれた。もしかすると彼は吉谷さんの想像の具現化における大変重要なファクターなのでは…。

 愛知芸文
 5/24(日)マチネ 
大楽観劇。滅多にない満杯の大ホールにて。徹平L、めぐさんレムが評判通りの素晴らしさ。難解な楽曲にキャスト全員が果敢に挑戦していたのも好印象。
親しんできた2.5次舞台と何が違うって制作のプロセスなんだろうけど。己の思う2.5次感ってなんだろう?ということを考えさせられたりも。

 中日劇
 6/14(日)マチネ 
上山アンジョをようやく。なんて赤が似合うひとだろうと、つくづく。生まれながらのヒーロー性、センター性というカリスマを持った上での未熟な熱さと無鉄砲さ。どうかまた赤を纏う日が来ますよう。海宝マリウスの青さもとっても良かった!

 刈谷アイリス
 7/3(金)ソワレ
光と影と奈落の闇と、栗山テイスト満載で手塚治虫原作を舞台に。
3人のルドルフそれぞれの狂気と弱さ、狡さと賢さ。いや、3人だけでなく登場するすべての人物が脆く歪んだ危うい人間として描かれている。なのに身近に感じて、そのことに何度となく背筋が粟立ったのは、生身の人間がそこで演じるからこそだろう。
波立って荒んで廃れていく成河くんが、あんまりにも素晴らしかったし、こんな人物を毎日生きる精神力に感嘆せずにはいられない。

  • 「SONG WRITERS」 
 シアタークリエ
 7/21(火)マチソワ
きっとターニングポイントになったであろう、大好きで大切な主演作の再演に、全キャスト続投という素敵なオマケ付き。作詞家エディと作曲家ピーターのコンビはより幼馴染みらしさを増し、カンパニーのチーム力も同じく、更なるハッピーを届けてくれる。
どうしても「現実の国で夢見る人」で泣いてしまう。それはやっぱりあの瞬間、音楽の風が吹くことを心から信じてるふたりが、真正面から伝えてくれるからだと思う。わたしに書き足された101個目の幸せは、どう考えてもあのふたりが歌う光景だ。また、を願って。

  • 「ライムライト」 
 愛知芸文
 7/29(水)マチネ
やさしく静かで落ち着きのある、ひとつの寓話のような物語。らっちはヒロインの憧れだった青年という正統派の相手役キャラ。たまにはこういうのをやらないとね。本役とは別のちょこちょこと動き回るシーンが楽しい。

  • 「超☆超歌劇 幕末ROCK」 
 シアタードラマシティ
 8/9(日)マチソワ 
 ブルーシアター
 8/13(木)マチソワ 
トンデモ幕末歌劇の再演。新曲が増えたのはもちろん演出も予想以上に変えてきた印象。これに稽古参加5回とは…。
初演が持っていた不思議なカタルシスは霧散したけれど、丁寧過ぎない深まりがきらりと。メインキャストフル続投の勝利。とにかく観客を楽しませることにこだわり尽くした吉谷節全開の演出も、それでいて観客以上に全力であの世界を楽しんでいるキャストも、すべてが愛おしい。続編待ってます!

 京セラドーム大阪
 8/31(月)17:00 
今までになく綺麗にまとまったコンサートだったように思う。グループの充足感がそのまま。やっぱりきちんとそれぞれにユニットがあるのは嬉しいし、これからも続けて欲しいなぁ。

 スペースゼロ
 9/13(日)マチネ 
クラシックで踊る祥司くん!きっとバレエが観られる!と内容もキャストも調べず急遽追加した公演。祥司くんが素晴らしかったのはもちろんのこと、作品そのものが面白かったうれしい収穫。
乙女ゲーム原作でありながら、恋愛よりもむしろ音楽コンクールでの学校対決が主軸。迸る青春群像劇の世界に客席も参加させ、観客をとことん楽しませようとする吉谷節。この規模の演劇作品で10人の生オケを呼ぶのも凄いし、それがしっかりハマっていた。

  • ホチキス「逆鱗アンドロイド」 
 芸劇ウエスト
 9/13(日)ソワレ、14(月)マチネ
世界を脅かす怪獣と戦うために各地で巨大戦闘機開発が始まっている世界線。とあるポンコツなラボで巻き起こる、とある開発者と彼が戦闘機そっちのけで作った美少女アンドロイドのラブコメ。読みきり漫画の読後感に似た面白味。
恋するアンドロイドりんごちゃんが半端なくかわいい。声色も歌もダンスも演技も、はーちゃんのパーソナリティーがこんなに活かされる役があるなんて!次作の客演も楽しみ。

  • TRASHMASTERS「そぞろの民」 
 下北駅前劇場
 9/14(月)ソワレ 
安保法案可決の夜に自殺した社会学者の葬儀に集まる3人の息子たち。この状況作りによって世間規模の論争を一家庭に落とし込むことに成功している。
兵器輸入を仕事にする長男、政治家寄りの新聞記者の次男、兵器開発に関わることを拒否した元エンジニアの三男。それぞれの安保と、父親との関わり。
結論としては「日本人的に」救いのない話で、そのラストをこそ描きたかったんだろうけれど、そこに導く道の作り込みには些か疑問。

 10/12(月)10:30
ドライブは放送中盤からものすごくハマっていたのにイベントにはなかなかタイミングが合わず、ようやく参加。
ショーは良い出来とは言えないものの全フォームを網羅する特別感がたっぷり、トークコーナーでは溢れるチーム力。彼らのやり取りはテンポがいいよね。みんなかわいかった!

 10/12(月)ソワレ、27(火)マチネ、11/22(日)マチネ 
2015年のマイベスト。これでもか!と派手な演出をふんだんに盛り込み、その全てにしっかりと歌舞伎の芯が通っている。歌舞伎という伝統芸能の懐の深さたるや。日本エンタメの究極これにあり。
隼人サンジ、右近白ひげ、福士エース、市瀬クザン、嘉島サカズキ、書ききれないほどに諸役皆素晴らしかったんですが、特筆すべきは三役を演じた巳之助。元より大和屋贔屓でもあり超花形世代では異質の感性の持ち主に注目してきましたが、本気の開花を目の当たりにした、当たり役に立ち会ってしまった衝撃は物凄かった。毎公演泣かされたみっボンちゃんに花横から喝采を掛けられた幸福。
当初タイミングが合えば観よう、くらいに思っていたのにこんなにリピすることになるとは…こんな誤算があるから観劇はやめられない。来春大阪も楽しみ!

 とよはしPLAT
 11/15(日)マチネ 
りょんさん初の蜷川シェイクスピア。若き日の作家による荒い本に、自らの心にのみ純粋なクズ男プローティアスをカジュアルに生きることで向き合う。
親友の恋人を愛し、親友と自らの恋人を切り捨てると決意したプローティアスは、瞬間、くしゃりと甘く弾けるように笑った。手酷い裏切りの数々をあっさりと赦されてしまう役得を彼が備えているという、まぁなんとも救いのない説得力がその眩しい笑顔に集約されてるなぁ、って。その奔放と無邪気さをこそ、きっと親友も恋人も愛さずにはいられない。

  • 「ハイキュー!」
 アイアシアター
 11/22(日)ソワレ 
主人公須賀くんは傾斜のキツい八百屋舞台の上で当たり前のように他人に全身を預けて、跳び上がる。支えてくれるって本気で信じてるから彼は跳べる、それが目の前で実際に起こってる事象。そりゃ説得力あるわ。
対してバレー経験者の遊馬くんが別格に美しく跳ぶ。一朝一夕で創れないものを存分に振り翳すジャイアニズム。なるほどそれもまた観客を納得させる力で。
プロジェクションは冗長に過ぎ、むしろ彼らの体感をダイレクトに伝えることでの物理的な勝利。青春は目映い。

 帝国劇場
 11/30(月)マチネ 
東宝が誇るお祭り騒ぎのミュージカル、帝劇千秋楽。
「15年前は光一くんへのスポットライトの木漏れ日を浴びて踊っていた」とは本人の談ですが、15年振りの帝劇の広いステージのセンターでスポットライトを浴びて歌うらっちを観られた幸福は言葉に尽くせません。同時に、この日をスタート地点にまた歩んでいく彼を観られる幸福にも、感謝。
コミカルでキュートでちゃっかり者なアルフ、魅力的だった!

  • 「俺たち賞金稼ぎ団」
 シアター1010
 12/7(月)ソワレ
東映ヒロネク映画の続編が舞台に。劇団バズーカが褒償金を稼ぐため、テロ事件の解決に奔走する。主軸は映画にも登場したコミュ障オトメン劇団員黒田の成長物語。
戦隊OBがキャストは勿論ゲストにも登場するお祭り感は他では味わえない楽しさ。事件の規模がもう少し身近なものであればなぁ。

  • 「CLUB SLAZY 4th」
 スペースゼロ
 12/16(水)ソワレ 
散々面白いという噂は耳にしていて、キャストは9割馴染みの顔、演出は香さん。4演目にしてようやく初体験。初めてでもキャラクター性やどこが含みになっていたのかが分かるし、本編からカテコまで構成が全くブレない。曲も良い。なるほど中毒性。
挫折と痛みを抱えた大人の芝居は、アオい青年として在ることを求められている劇団ではしばらくは任されない人物で、くらもこんな役をやるようになったんだなーと。安定と柔軟とやさしさと。良い芝居だった。

 ブルーシアター
 12/28(月)マチネ
第一次~第二次大戦終結までの流れを擬人化された国家のキャラクターでミュージカル?に。コミカルでゆるく、戦争の内容には一切触れないのでなんだか不可思議。面白いかっていうと首を傾げるけど、とてもかわいいし楽しい。
舞台作品で祥司くんと謙信くんがきっちりがっちりシンメは久々!アンサンブルそれぞれがメインキャラ以外の国や過去に扮する役割があり見応えたっぷり。

 シアタークリエ
 12/28(月)ソワレ
リバーフェニックス主演映画を元にしたブロードウェイミュージカル。ベトナム戦争を背景に出征前夜の海兵と女性の、最高にかわいい男とかわいい女の刹那の恋。アメリカが負けるわけがないと無条件に信じていた時代の無鉄砲な若者の高揚感をひしひし感じ、ただその残酷な結末をこちらは歴史として知っているので、全ての場面が切なくて。
とにかく楽曲がちょうオシャレ。難度も高く、ただきっちりハマると凄く盛り上がる。キャストは気持ちいいだろうなぁ。来年の愛知公演も期待。

  • 「MEN ON STYLE 2015」
 豊洲PIT 
 12/29(火)マチソワ
歌もダンスも覚束ない子が多いのにスタンディング?大丈夫??と思っていたことを全力で謝罪します。めちゃくちゃ楽しかったー!潔くカラオケコーナーを加えたのが良かった。半分は宴会芸の領域だけど年末だし、ね。新曲では他己紹介ラップが特に好き。今最も箱で推すべき案件だと来年も胸を張って言ってゆこうと改めて。