U216

見える未来そのすべてをまやかしだと拒絶してあげるよ!

新春浅草歌舞伎2018

新春浅草歌舞伎2018の所感をメモ。
もうすでに1年が経つんですね…浅草で贔屓が観られるのが恒例となっているしあわせ。年明けも楽しみ!

「鳥居前」

義経千本桜でも特に人気の序盤、討手に捕らえられた義経の愛妾静御前を家来の忠信が助けますが、実はこの忠信は狐が化けた姿…というくだり。全体に伸びやか。
浅草は久々の歌昇くんが持ち前のプラスの気質を活かして思い切りよく勤めていて好印象。愉快な道化敵の藤太は巳之助らしい愛嬌がふんだんに。

 「御浜御殿綱豊卿」

元禄忠臣蔵から綱豊=後の徳川家宣赤穂浪士助右衛門の緊迫した台詞の応酬。
新歌舞伎らしいリアリティのある、大好きな青果物。若手がやるには背伸びした演目かな?と思ってましたが、いやいや、松也綱豊が大きく演じていて感動…!助右衛門の巳之助も感情の入った芝居で応え緊迫感が漲り、休憩なし2時間の幕も充実したものに。

「操り三番叟」

錦之介隼人父子による翁千歳の厳かな踊りから始まり、操り人形の三番叟種之助、繰り師の後見梅丸が五穀豊穣を寿ぐ。人形が軽快に踊る内にくるくる回り過ぎて糸が切れ突っ伏す、慌てて後見が糸を繋いで復活!
台詞のない舞踊ですが仕草がパントマイム的で笑い所が分かりやすく、浅草向きだなぁと。種くんは猩々もそうでしたが、人外が殊の外似合う。

「引窓」

殺人犯を逃がす逃がさないの…いやいや義兄弟と家族の切ない義理人情のお話。幼気な印象が強かった米吉も女房役がしっくりくるようになってきて、元遊女のあだっぽさもかわいらしかったです。
歌昇くんは両部共に少し情けない愛嬌のある男を好演。母親役の歌女之丞さんが昨年に続き抜群の雰囲気作り。

「京人形」

憧れの太夫の人形を自ら作って酒の肴にする人形師と、それをおおらかに受け止める女房という愉快な夫婦。その人形が突如動き出し…でも籠った思念は人形師のものなので踊りがガサツ(笑)太夫の落し物の手鏡を持たせると途端に艶っぽくなり、このギャップがおかしみ。
大和屋コンビは堅実にこなしていた印象。スラリとした長身の新悟ちゃん、和人形にぴったり。二人で長くやれそうな演目ですね。

 

お年玉ご挨拶は新悟、歌昇でしたがわりと真面目にご挨拶してましたね(笑)新悟ちゃんは「携帯の音が鳴るとその回の挨拶担当のせいという雰囲気になるので(笑)、私のためにも是非電源は切ってくださるようお願いします」とお話。歌昇くんはとりあえず「非常に」が口癖なんだな~と思いました(笑)
イヤホンガイドのリレー解説も一通り聞きましたが、DAIGO口調の米子にツッコミ続ける新悟ちゃんの「御浜御殿」組、「義理と人情のミルフィーユや~」の松也歌昇米吉「引窓」が面白かったです。みっくんが両部めっちゃ真面目だったのすこし残念(笑)