U216

見える未来そのすべてをまやかしだと拒絶してあげるよ!

2.5次元ミュージカルの魅力講座

1/11(土)電気文化会館
2.5次元ミュージカルの魅力講座」栄中日文化センター

 

初体験のミュージカル講座。

東宝演劇部の篠﨑プロデューサーが講師・進行役で、ゲストの良知さんの2.5舞台関連出演作をおさらいしつつ、聞き手の篠崎さんの分野であるいわゆるグランドミュージカル・一般のミュージカルとの違いについて。
…というか硬いお話はほぼなくて、ふつうに各現場の裏話トークだったな~あとは最近のらっちのプロデューサー業についても聞けました。

 

以下、自分用のメモの清書なので内容ざっくり、発言はニュアンスです。あしからず。

 

■登場~挨拶

・ 篠崎さん、らっちの順で登場。オタクにはお馴染みの黒地に青い炎柄のジャケット姿。篠崎P「朝会った時は普通の黒のジャケットだったのに…(笑)」

・篠崎さん自身は2.5に馴染みがあるわけではないので、東宝ホリなどの作品も2.5にも出演歴のある人を呼びたいということでらっちに声を掛けたとのこと。

・ 客席に2.5観劇経験が有るかの挙手を求め、多分8割くらい挙がったのかな? 篠崎P「正直こんなにいると思ってなかった」と仰ってたけど8割が良知オタの集いだったということでしょう…(笑)

・2.5を好んで観に行くか?には3~4割だったと思います。


 ■TDV良知アルフ歌唱映像

・篠崎さんとらっちがご一緒したTDV2015版のアルフソロ「サラへ」をフル尺で紹介。途中ものすごくキメ顔だったことをいじられる(笑)
 篠崎P「5年前なのに全然顔変わらないね?」
 良知「今年も出れたんじゃないですか?(笑) 」

・しっかしこんなに綺麗な記録映像残してるのね…売ってくれ…(むり)

・今までのお仕事紹介のくだりで四季時代の出演作にも名前だけ触れてました。


 ■いわゆる一般のミュージカルと2.5の違いとは?

・良知「ネルケの松田さんともよく話すんですけど、そこで聞いたのは2.5次元という言葉は制作側が作った言葉ではなく、お客様側から発信されたものという」

・”ネルケの松田さん”という枕詞はこの後も頻出したので相当やり取りしてるんだな~と。

・2.5舞台の中にも大元の原作となる漫画・小説などに準拠して制作される場合と、そこから派生したアニメなどに準拠する場合がある。

・ 難しいところは?の質問には、最初のビジュアル発表が一番の緊張ポイントとのこと。実際芝居をするそれ自体は変わらないけど、ビジュアルには2.5特有の観客からの期待値の高さがあり、ビジュアル発表で叩かれるというのも聞く。制作側も意識して、とても繊細に作られている。原作の絵を見ながら調整して撮影をする。

・原作者・版元のチェックはすごく厳しい。キャスティングの段階でイメージに合うかはチェックされているし、稽古終盤の通し稽古には版元(場合によって原作者・漫画家さん)も同席する。その段階でのNGもある。
 良知「曲はいいけどBGMは変えてくださいって言われて数日で作り直したり」
 篠崎P「何より権利者の意向が大切なのは海外モノと同じだね」
 良知「権利者に送る音源のために「サラへ」100回くらい歌いましたね~(笑)」

・漫画家さんなどは通し稽古でもすごく楽しんで目をキラキラさせて観てくださる方が多いので演者としてはありがたい。版元などのスーツの方だけがずらっと並んでいる時はそっちを見ないようにする(笑) 関係者が多いのは2.5特有かもねと篠崎さん。

・キメの台詞や技があったりするのは独特では?
 良知「ありますね、でもキメるところはあまり稽古しないです。そういうところは役者がホン読みの段階から立ち上がって演じられるくらい完成させてくるから(笑)」実際勢いよく立ち上がってみせるw

 

■お客様の違いってある?

・元々の原作があるので、お客様もすごく思い入れを持って観に来てくださる方が多い。
 良知「初日開けてすぐだと、歌が始まったら”うんうん、ここでこう来るのね”って頷きながら観ている方がいたり(笑)、序盤からずっと泣いてる方もいる。正直泣き所にはちょっと早くないか!?(笑)って思うけど、それも原作でその後の展開などを知っているからこそですね」
 篠崎P「それぞれの思いを持って楽しめるんだね」

・コスプレ観劇についても言及していたけど、少なくとも否定的ではなかった。まぁいわゆるコスプレマナー的なところはお二人とも明るくないんだろうなぁと。

黒執事

・ここから歴代出演作について。各作品ごとにスクリーンにキービジュを投影。

・実写映画にもなっている、2.5に馴染みのない方にも知られている少女漫画と紹介。キービジュ見ながら篠崎P「赤いのが植原卓也ですね」と何故かピックアップ(笑)今のTDVで一緒だからかな?
 篠崎P「執事の話かと思ったら結構アクションが多くて、紅茶の話とかではなく」
 良知「(笑) 紅茶も出てこなくはないですけど」

・初2.5次元での役作りについて
 良知「原作にない舞台オリジナルキャラクターだったのであまり制約がなく、いい意味で好き勝手にやらせて貰えた」

・周りはテニミュ出演歴のある俳優しかいなかったので、お話をいただいた時には僕で大丈夫なのかな?と思っていた。
 良知「稽古中にテニスの振付もされている上島さんと飲みに行ったら「良知、何代目だっけ?」って聞かれて、「えっ?何のですか?」「テニスだよ」って…(会場爆笑) 上島さんがそう言うくらいなら、もうテニスに出ていたつもりでいよう、と(笑)」

・ライブビューイングも初めて。立っている劇場だけじゃないところにも生放送されている、ネットワークの広がりを体感して、2.5次元の可能性をすごく感じた。

・2.5は決まった絵から立ち上がっているものなので、どんな時も見せ方が美しくないといけない。例えばコメディパートにはコメディでの美しさがある。宝塚とかジャニーズのミュージカルを改めて見て、見せ方の研究をするようになった。


幕末Rock

・全4作のシリーズもの。ゲーム絵のビジュアルを先に映し、キービジュと比べて見る篠崎さん。
 篠崎P「随分かわいくなってるね」それな~! 
 良知「龍馬はかわいらしい、ちょっとおバカなキャラクターなので」
 篠崎P「これは僕も観に行って、隣の席が小池さんだった(笑)」
 良知「終わってから「随分若い子に混じって若いことをやってるね」って400字くらいのメールをいただきましたよ(笑)」イケコw

・幕末の志士とロックミュージックという意外な取り合わせの作品。
 良知「最初にお話を貰った時に「見せ場があるんです!」って服がパーンっと弾け跳ぶアニメ(ゲームかも)映像を見せられて、お断りしようかと思った(笑)」

・幕末という時代を作った男たちの話。プロデューサーに龍馬はどんなキャラクターなんですか?と聞いたら「一番情熱を持ったアツい男です!」と。なるほど、そういう情熱、魂を持っているからこそ、音楽にするならロックなんですね、って言ったら「…ああそうですよね!」ってなった(笑)マベちゃん(笑)

・吉谷さんとの共通点???
 良知「シリーズ3作目は全員脱がせたいっていうのが演出家(吉谷さん)のこだわりだった」
 篠崎P「小池的な発想だね」え!???

さよならソルシエ

・篠崎さんは原作漫画を読んでいたとのこと。原作表紙とキービジュを見比べて再現率すごいと盛り上がるターン。急にファン心理を理解する篠崎Pかわいい

幕末Rockの千秋楽後すぐにお話をいただいた。幕ミュと同じプロデューサーが担当していて、マーベラス入社時からやりたかった念願の作品だったそう。

・お話を貰った時は兄弟どちらをやりましょうか?という相談から入って、最初はプロデューサー的には兄のフィン(ゴッホのこと)で行くつもりだったそう。
 良知「でも、たまたまその時に僕が黒いハットを被っていて(笑) 弟のテオでもいいかもしれないですねって話になって、物語やキャラクターについても説明を受けて、じゃあテオをということに」

・プロデューサーはかなり明確にイメージを持っていて、「スリル・ミーのような構成にしたい」と。ピアノ1本でアートな作品を目指した。

・良知「原作に忠実なのは勿論、それだけではもう今のお客様には受け入れて貰えない。作品を届けるための創意工夫や、熱意、パッションが大切。」

 ここ長めに語っていたのでかなりニュアンスだけど印象的なお話でした。

NARUTO

・2.5舞台だけではなく歌舞伎にもなっている有名作品。海外人気も高い。篠崎さんからイタチのキャラクターの説明を求められる。
 良知「弟が長年兄へ復讐しようと願っていて、で、復讐したら実はいい人だったという」ざっくりしすぎ!(笑)

・演出家の児玉さんは宝塚で小池さんの演出補もしていた。シンプルに絵作りを大事にする人。漫画を片手に見ながら稽古。机には漫画が積み重なっていて受験生みたい(笑)
 篠崎P「そういう演出家は多いの?」
 良知「いや、漫画片手にっていうのは児玉さんしか見たことないですね。芝居をやって見せると「いいねいいね!でも顔の角度はこっちね!」っていう直しが入る(笑)」

・シリーズものだけど続編からミュージカル要素が入った。ライブスペクタクルというタイトルはいきなり変えるのも…となって、サブタイトルに「調べ」が入ったそう。
 良知「暁の調べってことは暁しか歌わないんだ!場を持っていってやろう!と思ってて蓋を開けたらみんな歌ってた」(笑)

・舞台上の幕に映像効果を映すので、本番も稽古も自分では何も見えてないところで忍術をやるのはなかなか恥ずかしい。周りはみんな堂々とやっているので流司くんにこれって慣れなの?と聞いたら「いや良知さん、これ毎回イヤなんですよね…」とすごくイヤそうな顔で弟を再現(笑)

・初海外公演。お客さんはアニメをよく見ているので、字幕は使うけどそれを認識するよりも先に反応がくる。中国の街中では全く通じない日本語が劇場の中でだけ通じる。2.5を通して文化交流が出来るんだなと実感した。

・日本ではサスケが人気だけど、中国ではイタチが人気。登場シーンで振り向くだけで地鳴りのような歓声が起きて、最初は地震でもあったのか!?と思った(笑)
 良知「中国ではずっと登場でキャー!!っていうのが続いていて、凱旋公演で日本のお客さんからは反応がなくて…現実に引き戻されました(笑)」

 

陰陽師

・最初に公演のダイジェスト映像。映像終わりに八尾比丘尼が美海ちゃんって気付いた篠崎さん
 篠崎P「あれ美海ちゃん?アルフとサラの再会だったんだ」
 良知「姿は随分違いますけどね」(笑)

・ナルステ凱旋の初日にネルケからお話をいただいた。日中合作で中国原作のゲームを日本のキャストで、というのがおもしろいなと思ってすぐに引き受けたとのこと。ゲームでも日本の声優陣起用ってところにも触れてました。

・良知「ちゃんとアプリもダウンロードしてやってたけど、僕の清明が全然強くならない!(笑)(序盤のレベリングしんどいよね分かる) これ間に合わないぞ!?って焦ってたら、キャストに「ユーチューブ版の動画貰ってないんですか?」って言われた…座長なのに僕だけ貰ってなかった!(笑)」

清明の扇子が25万円するって聞いてウソでしょ!?ってなったその日に壊した(笑) 予備がいくつか用意してあって、25万円の扇子はそれ以来映像撮りの日まで戻ってこなかった(笑)

・客席通路登場から始まる舞台。リピーターのお客さんが始まる前から登場通路の方を見ているので、演出の毛利さんと相談して逆サイドから登場したらみんな反対を向いていてちっとも気付かれなかった(笑) 以降の登場はランダムに。

・中国公演中に発熱して、39℃あったのが病院で点滴を打って貰ったら35.4℃に。らっち「中国の点滴すごい(迫真)」こわいよ!!


■プロデューサー業について

2.5次元ミュージカル協会が毎月主催している企業向け?のセミナーがあり、そこでらっちと久々に再会した篠崎さん。最近はプロデューサー業もしているって話を聞いて、今回の講演にも誘ったと。

・今は2.5の作品数がとても多いけど、出ている役者はローテーションしていて、そこに新人が加わる図式。そうしていると、どうしても同じ役者が同タイプの舞台に出ていて、どの役も同じ…という風になってしまう。構造的にレベルを上げていかないといけない。(という話をネルケの松田さんと)(枕詞)

・代アニの2.5次元俳優科の講師業。2.5を経て一般ミュージカルへという道もあるけど、今は2.5専門でやっていきたいという子も多いとのこと。

・代アニ側で選抜していただいた約30人の生徒に定期的にレッスンを行う。専門家ではない自分の教え方が他の講師の方と違うのは分かっているが、現場に出ていて純粋に思うことを伝えたいと最初に生徒に話をした。篠崎P「それが一番大事だよね」

・生徒たちは台詞を読むのが本当に上手。声のトーン、台詞の言い方は完璧だけど、動きがつくと途端に言えなかったり、動けなくなる。舞台に立つと当然動きながら台詞、歌を伝えなければいけない。どちらかだけではダメ。

・主演の仕事はいつもラストだと思ってやっていて、周りの役者がどうしているかよく見て、主演の時だけは積極的にアドバイスをするようにしてきた。ただカンパニーが終わるとそこで終わりになってしまうのを残念に思い、自分は後輩を育てることをしたいんだなと気付いた。代アニの講師や、事務所の立ち上げもそんな気持ちから始まっているとのこと。

■キャスティング諸々について

・篠崎Pが東宝のキャスティングをしていても、最近は2.5出身の方の名前がよく挙がる。ただ、2.5で人気だという役者さんを一般ミュージカルに呼んでもお客さんがそのまま着いてはこなかったりする。事務所の方でもそこに悩んでいる。

・勿論2.5を主戦場にする役者は若い人が多くて、スキル的にまだまだという人も多い。ただ、上手ければいい役者、人気が出るというわけではない。全体の底上げは必要だけど、お客様の応援したい気持ちにも寄り添っていかなければならない。

・実際ジャンルレスに出ているらっちの意識でも両立するのはハードルが高いって感じてるのかな~。

 

■ニジゲンノモリについて

・長めに尺を取ってプロデュース・親善大使の活動についてお話。以前にもインタビューなどで語っていた内容でした。火影岩のテープカット写真や、ナイトウォーク火の鳥のPR映像も上映。ナイトウォークには篠崎さんも興味津々。

・淡路島を芸能とアートの島にしようという地方創生プロジェクト。過疎化が進む地方を元気にしたい、2.5次元の人を呼ぶ力を地方創生に繋げていけないか、と考えて、親善大使として活動している。

・ 流司くんやエハラさんなど他の親善大使はらっちから直接お願いしている模様。

■質問コーナー

・この辺りはまったくメモを取っていなかったので曖昧です…

2.5次元のカテゴライズについて、四季のライオンキングは2.5じゃないの?>僕も最初は2.5見たことあるかと聞かれてライオンキング!と答えていた(笑) 宝塚のベルばらとかもそうだけど、原作があって、でも2.5という感じがしないのは不思議ですね。結局は観る人の自由!

・原作が終わったら2.5も終わりというのが寂しい、オリジナルな番外編や展開があったらと思う>原作者の気持ちが一番大切だから難しい…でも最近は2.5舞台を経て、原作側から新たなものや続編を作ろうという動きも出てきているそうなので、可能性はあるんじゃないかと思います(幕ミュのこと意識してたのかな?)

・同名の方の応援コメント(質問ではなかった笑)
 良知「あ、おもしろい話ありますよ。父の実家の某町は周囲みーんな同じ名字なので、小さい頃家族でお墓参りに行くといつも綺麗で、どなたかがお参りしてくれてるんだねって思っていたけど、後になってそれが別の家のお墓だったことを知りました(笑) 」
 篠崎P「この話で終わっていいの?(笑)」終わってしまった…w

 


次の出演作FFについてはほんのり触れてました。名前程度かな。
こうして振り返ってみると何故かコドミュの話はしなかったですね?尺の問題で割愛したのかな?

親善大使のくだりで風男塾さんの名前も出たし今度のプロデュース公演のフライヤーも置いてたので話に出てもよかった気もしますが。
キャスティングや、原作サイドの関わり方などはなかなか聞けないお話だったので興味深かったです。


役者であるところの彼のファンなので、裏方のお仕事が忙しそうなのは寂しくはありますが、熱意を持って取り組んでいるのはすごく伝わったので頑張って欲しいなぁと。ヨッ社長!応援してまーす!でも表のお仕事情報もくださーい!!!