U216

見える未来そのすべてをまやかしだと拒絶してあげるよ!

観劇履歴2018

ドッグファイト

1/6(土)ソワレ
愛知芸劇大ホール

2年ぶりの再演。ベトナム戦争前夜の海兵エディと冴えない少女ローズのいじらしい一夜の恋と終わり。スリービーズに矢田ちゃん加入で全体にヤンチャな男子っぽい空気が増し、年を経たのに逆に若々しくなったのがおもしろく、ダンスにも変化が。屋良エマは声の相性がいい。芸文の広い会場のほとんどの座席が埋まり、スタオベを贈れたことが本当にうれしかった。

 

「新春浅草歌舞伎」

1/22(月)両部
浅草公会堂

演目ごとに拾うと長くなるのでひとこと感想は別記事に。都内にあるまじき大雪に見舞われて帰りのバスが運休するという1日でもありました…真っ白な浅草寺も今となればよい思い出。

sophora46.hatenablog.com


「ミュージカル黒執事-Tango on the Campania-」

1/28(土)マチネ
江南市民文化会館

映画にもなった人気エピソードの豪華客船編。デヒさんが葬儀屋を務めているうちに絶対にやって欲しかったエピソードが実現したことがとにかくうれしかった。あんな非現実なキャラクターを気負いなく自然に、立ち居振る舞いから何もかも葬儀屋そのものに表出する技術に感嘆。それにしても生執事は愛知までは来てくれるのに何故名古屋市内では公演してくれないんでしょう???


「endless SHOCK」

2/26(月)マチネ
帝国劇場

自担がライバル役を卒業してわたしも卒業かな?というタイミングで祥司くんがアンサンブル入りするという衝撃。アンサンブル中心に観るSHOCKは長年観たものなのにまったく違う味わいがあり、正直これまででいちばんのびのび楽しめて最高でした。知ってたようで知らなかった、ライバル役不参加の曲のかっこよさ…!


「THE YOUNG LOVE DISCOTHEGUE」

2/26(月)ソワレ・3/10(土)マチネ
品川プリンスクラブex・サンケイホールブリーゼ

長年温めてきたであろう屋良さん初プロデュース公演。東京は円形の客席にミラーボールが輝き、ステージとの距離感も間近な、まさにディスコ、ダンスフロア。ダンスのルーツを巡り、声を上げて体を揺らせるターンもあれば、プロのダンスチームを迎えてじっくりと見入るショーもあり。特筆すべきはATさん楽曲と屋良さんの声の相性の良さ。「楽しい」ってこういうこと!

 

「ミュージカル陰陽師~平安絵巻~」

3/17(土)マチソワ
日本青年館

原作ゲームの麗しいグラフィックを再現していたという点には満足。ストーリーは清明と神楽の出会いの後、10~19章辺りまで。1幕はほぼキャラ説明、幕切れは続編を匂わす半端さ。色々と制約もあるだろうけど、ゲーム序盤は1~2章ごとに清明が事件を解決する構成だから、キャラも絞って毛利さん得意の戦隊もの構成で1エピソードをじっくり作ってみて欲しかった。続編は日本公演あるのかな…?

 

「Take me out」

4/3(火)マチネ
青山クロスシアター

性、宗教、人種、貧困…現代社会のテーマをシニカルに突き放す、とにかくよく出来た戯曲。再演では客に当てるタイプの演出がなくなり、会話劇の空気が増しました。章平ダレンの存在感に目が行きがちだけど玲央さんメイソンは台詞でしっかり引っ張っていくので主役感が強かった。あどけなくて得体の知れなかった良知メイソンと違ってごく普通に社会的生活を送っていそうで、恋をしていた。結局のところ人は人と生きている。


黒子のバスケ IGNITE-ZONE」

4/14(土)マチソワ
サンシャイン劇場

初演時ドリブルひとつにも苦心していた小沼くんが、リアルボールで青峰でしかないプレイを魅せてくれた。それを先輩たちが細やかな芝居で支えて。3年間、役者も演出もブラッシュアップを積み重ねてきた黒ステの、一つの答えみたいな1幕でした。対してたった一戦を色濃く魅せるために全力だった陽泉。特に紫原のオーラを際立たせる八百屋舞台の有効活用、ゾーンの表現に唸らずには。来年の最終章、寂しさと期待をいっぱいにして待ちます。


「1789-バスティーユの恋人たち-」

4/15(日)マチネ・6/5(火)マチネ
帝国劇場・新歌舞伎座

りょんさん初帝劇はフランス革命の最重要人物ロベスピエールの若き日。ロナンの死に際してぐしゃりと歪んだ彼の顔は、人権宣言ではまるで違う表情になる。見開かれた赤く潤んだ大きな瞳は茫洋として、友の死で彼の革命への純心がひとところに定まったのかも知れないと…やがてその理想に己が食い潰されていく未来まで思わせて苦しかった。台詞のない相手役の花岡さんと工夫を凝らして物語を紡いでいたのが印象的で、彼はやっぱり芝居の人だなと。


劇団新感線「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」

4/15(日)ソワレ
ステージアラウンド

シーズンごとにキャストを変えながら上演されたシリーズ最終章。竜星さんは持ち前の品の良さが女形の優美さに活かされ、豹変する2幕は低い声の使い方にゾクゾク。贔屓目抜きに出色の出来だったと思う。…歌以外は(笑)。もっと舞台にも立って欲しいなと思います。初体験の360°回転劇場は大きくセットが組める以外の利点が見出せればもっと面白くなりそうなんだけど。


スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」

5/14(月)ソワレ・5/22(火)マチネ
御園座

座長の不在を埋めるべく奮闘した秋を経て逞しくなった座組に、帰ってきた四代目の存在感がぴかぴかと光っていました。青さんの参入で幅も更に広がり、エンタメ全部乗せ歌舞伎は一体どこまで行ってしまうのか…!諸役見事でしたが特筆したいのは平さんエースが若々しくなり、またマントをはためかせ回り盆で登場するシャンクスがあんまりにもかっこよかったこと。


ミュージカル「Code:Realize~創世の姫君~」

5/27(日)マチソワ
森ノ宮ピロティホール

乙女ゲー原作はやはりヒロインが胆。健気かわいい長谷川カルディアと愛嬌たっぷりの良知ルパンの相性の良さ。落ち着いて遊びが出来る大人な座組。映像は一切使わずマンパワーで”機鋼都市ロンドン”を表出させる試みは客席にしっかり伝わってたと思います。吉谷節は絶好調で、ドSなアンサンブルワークは遂に兼ね役で祥司くんがラスボスに。そんな演出家他にいないよ…ありがとう…

 

「THE CIRCUS! epi.2」

7/10(火)ソワレ
アートピアホール

アメコミ風ダンスアクション、シリーズ3作目。出シロがかなりきれいに分配されていて誰のファンでも楽しめそうで、それ故に散漫にも感じました。まりモニカ推しなので幕切れがあんまりにも…まだまだ続ける予定があるみたいなので、もうずーーっっと言い続けてきているけど、原案はそれとして脚本と演出は他の方に任せて欲しいよてつはるさん…。


「いかがお過ごしです会」

7/16(月)両部
全電通労働会館

黒ステ陽泉キャストのトークイベント。自由奔放なWエースと振り回される3年生という陽泉そのものの構図で終始なごやかに。舞台裏の話や、舞台上のこだわりの表現についても。1回きりの試合をこの4人が演じてくれてよかったなぁ、と。抽選会で初演からむっくんの登場を待ち望んで一緒に通ってきた友達の元に太陽くんのサインボールが届いてとってもうれしかった!


舞台「野球 飛行機雲のホームラン」

7/31(火)ソワレ・8/25(土)マチネ
サンシャイン劇場・シアタードラマシティ

戦時下特攻へ飛び立つ少年たちの最後の休日、9回裏までの全力の野球。出ハケがとんでもない量だしボールも飛ぶし、視角を幾度も変えて飽きさせない工夫…一つズレたら全部崩れかねない。それらに懸命に一途に立ち向かう姿は胸を打つもので、汗と埃にまみれて駆け回るからこそ浮かび上がる想いがあって、演劇で、野球だなぁ、と心から。仲間や対戦相手や審判、願わくば観客がいなければ成り立たない、誰もが孤独になれないというスポーツの持つ何よりの尊さが、そのまま板の上にあることがうれしかった。今年のマイベスト。


「宝塚BOYS teamSEA」

8/5(日)マチネ・8/6(月)ソワレ
芸劇プレイハウス

男たちが挑んだ女の花園。とにかく脚本が素晴らしいしSEAキャストは安定の技量で、5年振りの再演で初見も増えた客席にはとてもいいチーム。ただ、これまで畑違いの俳優混成で各々の得手不得手が芝居に活きていたのが、ミュ俳優しばりで達者な故におもしろみには欠けていたかな、という気も。良知上原は思い出の稽古場のドアを閉め去りゆく間際の、色んな感情が綯い交ぜになって複雑な表情が印象的で、上原に対して初めて(この人はこの先ちゃんと生きていくんだろうか…)って漠然と不安になった。あの表情の意図聞いてみたい。


七つの大罪 THE STAGE」

8/5(日)ソワレ
銀河劇場

予備知識なしで観に行ってしまったので用語がスッと入ってこなくて手こずりました…パンフに相関図くらいは載せて…。個人的に映像の演出は得意じゃないんですが、巨人の女の子を映像と重ねて大きく表現していたのは納得の出来且つかわいかった。歌はあまり印象に残らなかったけどお芝居がしっかりしたキャストが多かったので、ミュージカルでなくてもよかったんじゃないかな~という印象。輝馬の老け役が新鮮。

 

「新作歌舞伎NARUTO

8/6(月)マチネ
新橋演舞場

若い二人が演舞場初座長。原作全72巻をひとまとめするというのでナルステ以上にざっくりするのかな…と思っていたけど、ステでは拾ってない師弟エピソードを詳細にしたり、人同士の繋がりを意図してピックアップしていて見せたいものがわかりやすかった。大詰めの3幕、本水での立ち廻りと二人の友情の帰着は特に見応えあり。ただ、歌舞伎の演目としてはもっと詰めてほしいことが沢山あるので、来年南座でどう変わるかにも期待します。


「THE YOUNG LOVE DISCOTHEGUE Re:FEVER」

8/15(水)ソワレ
ZEPP名古屋

ツアー初日公演。年内に再演がかかるとは!ライブハウスで観るDISCOTHEQUEはまた違う景色で、勢いをダイレクトに。改めて、屋良さんにとって特別で仕方ないダンスを惜しみなく、誰でも触れてはしゃいで体感できるものとして届けてくれる、独り善がりじゃないエンタメを創るこころにグッときた。素敵な仲間たちと共に、これからもずっと続く屋良さんのライフワークになっていけばいいし、それを支えられるオタクになりたいなぁ。

 

「ドリアン・グレイの肖像」

9/24(月)マチネ
博品館劇場

結論、いい方のオギーでした(笑)。歳を取らない美青年を取り巻く愛憎劇。永遠の美と若さを誇るドリアンは年齢不詳ならっちにぴったりで、原作よりも故意に人を惑わしていく酷薄な笑みが艶っぽくてゾクリとさせられ。彼を奪い合う人々もそれぞれ個性的で、特に法月くんバシルの欲望にまっすぐな指先の表現にはにやりとさせられました。惜しむらくは幕切れの1曲、意図は読めても蛇足が過ぎる。


「芸術祭十月大歌舞伎 三人吉三巴白浪」

10/22(月)11:00
歌舞伎座

幕見で大川端の場。お七お嬢はたいへんに美しいけれど黙阿弥調には苦戦、浅草のみっくんお坊が歌舞伎座で披露されたことは感慨深くありつつもまだ段取りそのもの、それらを締めてまとめるには獅童和尚は大きさが足りず、まぁなんだかちっとも噛み合ってない三人吉三でした。この3人で、という配役には期待感が窺えるのでこれからに期待。


「RE:VOLBER」

10/22(月)マチネ
シアター1010

吉谷さんのオリジナル作品は初見。監獄の島に生きる5人の少年がいつか見た夢の後先。やりたいことをこれでもかと詰め込んで怒涛に展開される物語、少年漫画ド直球のヒーロー観と過酷なアンサンブルワーク…全開で駆け抜けていく吉谷節に終始にやにや。阿羅来の少年時代を堂々と演じる祥司くんにわくわくしたし、何よりきっと吉谷さんにとってとても特別な現場に呼ばれたことがうれしかった。


キ上の空論「みどり色の水泡にキス」

10/22(月)ソワレ
あうるすぽっと

妹に恋をした兄は他人となって出会うことを夢見て、妹を殺す。そうして転生した妹と再会するものの、幾度生まれ変わっても妹は必ず死んでしまう…。永く繰り返す初恋の話で、罪を償わなかった男が呪われた話。町田新垣兄妹の繊細なお芝居がとても魅力的だったけど、娘を殺された母や裏切られて産まれてこられなかった双子に何故か責められる妻の存在がなんとも言えない後味を…。独特な作風の団体で他作品も観てみたくなりました。


「浪漫活劇 るろうに剣心

10/28(日)マチネ・10/29(月)マチネ
新橋演舞場

映画にも出演し舞台にも、りょんさんが縁のあるタイトル。ソロ曲音域がマッチしていて聴きやすく、出番は多くないけど印象的なお役。何より男性に囲まれても男前なちぎ剣心が素敵!イケコ演出はやっぱり派手なセットにクラシカルな表現が似合うなぁと思ったので、ろみじゅりも今すぐそうしてくれて構わないですよ…薫殿のソロ曲みたいなバルコニーをやろうよ…というきもちになりました…。


「TOP HAT」

11/20(火)マチネ・12/1(土)マチネ
東急シアターオーブ梅田芸術劇場

BWの美しく機能的なセットと衣装とタップダンス。チャーミングでスマートな坂本ジェリー、表情豊かでディズニーヒロインばりにキュートな多部デイルのドタバタすれ違いラブコメ。多部ちゃんがすごく踊れてびっくり!対して特技のダンスを封印して芝居巧者のベテランキャストに混じり、振り切れたイタリア人を演じた屋良ベディーニの新境地!この番手の外部オーデを受ける気概があることに未来への期待がより一層。

 

「吉例顔見世大歌舞伎 法界坊~双面」

11/20(火)17:47
歌舞伎座

夜に幕見するの初めてだったなぁ。破戒僧の法界坊が横恋慕した娘おくみ、その恋人の要助には婚約者の野分姫がいて…宝物「鯉魚の一軸」を巡る喜劇。物語が豊かなので2時間の長尺も見飽きないし、猿之助さんの愛嬌とエンタメ精神が活き活きと、おもだか独特の怨霊の宙乗りもおもしろく。歌六さんの甚三、雀右衛門さんのおしづが素敵。若手陣もそれぞれに好演。みっくん発声変えた…?


「ミュージカル刀剣乱舞 真剣乱舞祭2018」

11/24(土)14:00
サンドーム福井

初日公演。正面スタンドだったので照明の演出が更に進化しているのをじっくり見られて楽しかった。今年のテーマは東西お祭り対決。今までで一番気楽なコンセプトでまさに祝祭的でよかったな~こんのすけねぶたとかお金掛けるポイントはよく分からなかったけどw たかはっちとたむっちゃんが仲良しなのが解釈にとぅーまっち…四国組最高。福井観光も楽しかった~


「Royal Scandal~秘恋の歌姫~」

12/2(日)ソワレ
品川プリンスクラブex

お芝居と同時進行で歌が挿入されるショーアップされた構成…原案は観劇時は未見でしたがしっかりした世界観に用語説明も分かりやすく、置いて行かれることもなく。スタオべに泣いてしまったるすさんをニコニコ見守る座組が素敵で、そんな景色が共有出来てよかったなと。今年初めてのしょじけんシンメは、やっぱり世界でいちばん好きなシンメでした。


「スリル・ミー」

12/17(月)ソワレ(松下柿澤)
芸劇プレイハウス

待望の再演且つ5年振りの松柿ペア復活。ピアノの音が響いた瞬間から、あの世界に閉じ込められるような感覚が甦った。おどおどした松下「私」は自らが「彼」にとって価値あるものと自覚する男になり、相対する柿澤「彼」は暗い海の底のような瞳をどんどん己に向けていく幼気さが際立って。ふたりがあまりに哀れで泣きたくなったあの日から、異なる残酷さをぶつけあわなきゃ共にいられない1人と1人、寂しさが膨れて張り詰めていく痛ましさへ…5年経ってもやっぱりいちばんかなしいふたりでした。成福ペアは年明けに!楽しみと恐ろしさで震えながら待ちます…。

 

 

今年は推しの内のふたりが帝劇デビューしたりフリーになったり結婚したり、なんだか起伏の多い1年でした。現場数は抑えつつでしたが、たくさん楽しい現場に出会えてしあわせ!